2001年に「5年以内に世界最先端のIT国家を目指す」という目標をもって開始したe-Japan戦略
5年以内という差し迫った目標が設定された背景には、《近い将来わが国の高齢者人口と生産年齢人口のバランスが大きく崩れることから、それを補う手段としてデジタル化を急がない限りわが国の地滑り的な衰退を止めることはできない》という強い危機感がありました。
すなわち、デジタル技術を効果的に活用することで効率的な行政サービスを実現するとともに、わが国の社会を公平・公正で高品質な社会を少しでも早く実現したいとの強い思いが込められていたのです。
折しも、欧米に端を発した電子政府構築の波はアジアにも及び、デジタル社会の実現は国際競争力を維持強化する上でも待ったなしの喫緊の課題でもありました。
e-Japan戦略に期待し、その実現に向け様々な立場で尽力してきた我々メンバーも、すでに四半世紀の時を経て”高齢者”と呼ばれる世代になりました。 ところが、日本のデジタル化はどこまで進んだのだろうか? と利用者目線で改めて振り返ると、非課税世帯を的確に把握することによる所得格差の是正、既往症や感染症など患者情報の迅速な把握による適正な医療の提供、災害避難者のきめ細かな情報を活用することによる災害関連死の抑止などの被災者支援の強化、標準化の推進による自治体負荷の軽減・・・など、e-Japan戦略とその後の番号制度の構築において想定されていた社会的効果が一向に見えてこない現状に暗澹たる思いが募ってしまいます。
『日本のバカげたデジタル化を憤る高齢者の会』は、同様の思いを持つメンバーが集まり、それぞれの意見を交換する場として技術論に留まらず政策論・法律論・制度論など多岐に渡るテーマについて議論を重ねてまいりました。 そこで、これまで積み重ねてきた議論を今後数回に分けてオンライン・フォーラムにてお示し、望ましいデジタル社会にむけた建設的な議論をより多くの方々と共に行ってまいりたいと考えております。
今回の第一回フォーラムでは、マイナンバーをめぐる昨今の様々な言説や混乱について以下4つの観点から我々の考えを報告させていただき、デジタル社会実現を阻む根本要因について皆様と議論したいと考えております。
<日時・場所>
2025年(令和7年)2月21日(金) 16時~18時
〇 リアル会場:日本橋ライフサイエンスビルディング
グローバルライフサイエンスハブ カンファレンスルーム
〇 オンライン会場:Webexによるオンライン中継
<アジェンダ>
1.マイナンバー制度の成立とその後 報告者:仙波 大輔(EABuS理事長)
2.一元的管理は違憲という神話 報告者:榎並 利博(EABuS会員)
3.歪められた個人情報保護制度 報告者:日野 麻美(EABuS会員)
4.マイナンバー制度をめぐる情報発信のあり方 報告者:奥村 裕一(OGN代表理事)
(論点総括)データ活用の重要性 報告者:森田 朗(NFI代表理事)
コーディネーター:安達和夫(EABuS事務局長)
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